光にたへず滅んでいったものたちが、どうして美しいことがあらう
立原道造の言の葉にねじ入れた思いが
今それを握り締める私の手からぽたぽたと
ほら、ごらん、僕の言った通りだらう?と
ぽたぽたと零れてくる
私は愛したいのだろうか
憎みたいのだろうか
呪いたいのだろうか
祈りたいのか
自分を亡き者にしても残る何かは想像できるゆえ
かろうじて自分に手をかけず踏みとどまるだけ
きっとほろびる
ほころびる
受け継ぎ受け継ぎ
ひとめ また ひとめと大切に織りこんできた錦
かつてはその陽光に照り映える錦をどれほど誇らしく
まぶしく仰ぎみたことか?
また、夜の灯にきらめく一糸一糸を目で追いながら
ゆるやかに解かれてゆく帯の眩惑にひとときをゆだねたか
夢ではなかった
夢なんてものではなかった
それらはたしかにあった
しかしもう、綻びはとまらない
あれよあれよという間にも
金糸銀糸の山になり
風に飛ばされ海を渡る
鴎よ
おまえがくわえた金の糸がどんなに細くても
わかるひとにはわかるのだよ
かつてそれが日出づる国で織り上げられた
陽炎のように立ち昇る黄金の錦であったと
そしてまたあの錦
いつか再び
織りはじめることもあるのだろうか
そう思いながら糸を巻き取ってゆく人もいるのだろうか